2018年6月3日の東京メインレースは、府中G1・5連戦のフィナーレを飾る、春のマイル王決定戦・安田記念です!
2010年以降の8回中4回が1分31秒台という、究極の時計勝負になりやすいマイル戦です。今年はダービーがピークとなる馬場の造り方ではなかったので、31秒台は厳しいかもしれませんが、普通に流れれば32秒台は確実。マイラーとしての総合力が問われるレースになるでしょう。
今年の中心は、ハイレベルとされる4歳世代です。アエロリット・サトノアレス・ペルシアンナイト・レーヌミノルと、マイルのG1馬が4頭エントリー。さらに、大阪杯からのG1連勝を狙うスワーヴリチャード、3歳夏から急浮上したマイル界の新星サングレーザー、G1で2着が4回あるリスグラシューと超強力な布陣となっています。
対する5歳以上は、G1馬がリアルスティールとレッドファルクスの2頭だけ。近走好走馬は多いですが、少し寂しい印象ですね。4年ぶりの3歳馬参戦となるタワーオブロンドン、香港からの刺客ウエスタンエクスプレスといったバラエティー豊かな登録馬ですが、4歳馬の取捨を考えるのが一番重要になるでしょう。
以下、過去10年の上がり傾向、私の過去予想、安田記念のポイントとなります!
過去10年の上がりラップ傾向
年 | 最速地点 | 最高速度 | 失速度合 | 4F-4Fラップ |
08 | L3 | 高速(11.4) | 失速(0.6) | 46.2-46.5 |
09 | L2 | 低速(11.6) | 失速(0.8) | 45.3-48.2 |
10 | L3 | 高速(11.3) | 超失速(1.1) | 44.9-46.8 |
11 | L3 | 高速(11.2) | 超失速(1.0) | 45.4-46.6 |
12 | L3 | 高速(11.3) | 失速(0.6) | 44.9-46.4 |
13 | L2 | 高速(11.3) | 持続(0.4) | 45.3-46.2 |
14 | L3 | 低速(11.8) | 超失速(2.0) | 47.1-49.7 |
15 | L3 | 高速(11.2) | 超失速(1.0) | 45.9-46.1 |
16 | L2 | 超高速(10.9) | 失速(0.8) | 47.0-46.0 |
17 | L3 | 高速(11.0) | 超失速(1.1) | 45.5-46.0 |
(14は不良)
(最高速度:~10.9は超高速、11.0~11.4は高速、11.5~11.9は低速)
(失速度合:最速地点とL1の差が0.3~0.5は持続、0.6~0.9は失速、1.0~は超失速)
2014年は不良馬場で、勝ちタイムが1:36.8という極悪馬場。参考外です。
以前は、前半の半マイルが44秒台後半~45秒台前半と速くなることが多かったのですが、ここ3年は45秒台後半からと、ゆったりと入る形が多くなっています。
2008,2009年はコンゴウリキシオー、2011年から2013年まではシルポートと、逃げてこそのマイラーがいたためにペースが締まったものになっていました。
しかし、近3年は逃げなくても競馬ができるリアルインパクト・ロゴタイプがペースを作っていたので、ペースが緩みました。今年は、アエロリット・ウインガニオンくらいしか積極的に先行する馬がいないので、最近の傾向に近いレースになりそうです。
東京は1600に限らずL3最速戦になりやすいですが、中盤でペースを一気に落としづらい1600は一番L3最速戦になりやすい条件です。中距離戦だと、向正面から3,4コーナーでスピードが緩んで加速が遅くなり、坂を上ってからのL2が最速となることもあります。
しかし、マイルだと中盤でペースが一気に落ちることが少ないです。その例外が2016年で、
12.3-11.0-11.7-12.0-12.1-11.3-10.9-11.7
と、古馬マイルG1とは思えない中盤での連続12秒台によって、L2までスピードが上がり続けています。
2016年はモーリスが出走したために、12頭立てと異例の少頭数となり、先行馬も少なかったことで超スローになってしまいました。このように複数の要因がなければ、ここまで落ち込むことは考えづらいです。
今年は、あまり前半から速くならないとはいえ45秒台後半~46秒で前半が流れ、後半も直線入口からトップスピードが要求されるレースになりそうです。
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過去の予想結果
年 | 本命馬 | 結果 |
16 | サトノアラジン | 3番人気4着 |
17 | レッドファルクス | 3番人気3着 |
昨年はスプリント王・レッドファルクスを本命にしましたが、東京マイルG1は現代的なスプリンターにピッタリな条件です。
ロードカナロア・ストレイトガールなど、スプリントG1馬が東京マイルG1を勝っている実績がありますが、これにはラップ的な根拠があります。
現代のスプリント戦は、下って上るスプリンターズステークスでも前後半がイーブンになるように、前半のスピード能力一辺倒ではありません。前半で追走に脚を使っても、後半でさらに末脚を使えるかが重要なテーマで、ロードカナロア・ストレイトガール・レッドファルクス辺りは、34.0-33.0のバランスで走れるような末脚の持ち主でした。
安田記念(or高速馬場のヴィクトリアマイル)はスローになりづらく、マイルのレースとしては前半要素を求められます。中距離型だと、前半の追走で脚を使いすぎてしまい、後半でいつものような伸びを発揮しづらいです。一方、現代的スプリンターは問題なく追走ができるので、後半でいつものように末脚が発揮できるというわけです。
これは、高速馬場の東京マイルでは非常に重要な考え方で、後傾型のスプリンターがいれば積極的に狙っていくべきです。
安田記念のポイント
というわけで、レッドファルクスは今年も変わらず狙いたいのですが、昨年よりもペースがさらに緩みそうなのが懸念事項。
アエロリットは戸崎騎手が続投するようですので、序盤はゆったりと入りそうです。ヴィクトリアマイルは前半の半マイル通過が46.8という流れを2番手追走でした。
ウインガニオンも先行するのは間違いないでしょうが、こちらも無理にペースを上げるよりはスローで先行したいタイプ。2頭の枠の並びによってもペースは変わるでしょうが、昨年や3年前のように前後半がイーブンに近い流れになるのではないでしょうか。
高速馬場であることは間違いない府中の芝ですが、昨年や11~13の時の馬場に比べれば時計はかかっています。前半があまり上がらないことも踏まえると、46.0-46.0=1:32.0のような流れを想定します。上がり要素はL3高速失速になるはずです。
適性的にドンピシャなタイプがいないので、結局レッドファルクスが中心になるとは思いますが、4歳馬の中で一番評価したい馬を特注馬に指名しておきます。
まだ、ハッキリとした適性が見えていないのですが、裏を返せば底をみせていないともいえます。高速馬場への対応も問題ないですし、ここ2戦は安田記念につながるレースだと思います。
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明日以降、注目馬を中心に出走予定馬の戦績を振り返っていきます。