マイルチャンピオンシップ個別分析第5弾はスプリントチャンピオン・レッドファルクス。
芝短距離路線に本格参戦した昨年夏以降、香港を除けばすべて馬券圏内。オープンでは初のマイル戦だった安田記念も前をうまく捌ければ・・・というシーンがありながらも3着に突っ込んできました。
前走のスプリンターズSも鮮やかな競馬で、確実な末脚を武器に秋の短距離界を席巻することができるでしょうか!?
それでは、レッドファルクスの近3走ラップ、好走時ラップ、マイルチャンピオンシップにむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/10/01 | スプリンターズS | 中山 | 1200 | 1 | 1 | L3 | 超高速 | 失速 |
17/06/04 | 安田記念 | 東京 | 1600 | 3 | 3 | L3 | 高速 | 超失速 |
17/05/13 | 京王杯スプリングカップ | 東京 | 1400 | 2 | 1 | L2 | 高速 | 持続 |
(京王杯スプリングカップは重)
スプリンターズSは見た目も派手な大外一気を決めました。33.9-33.7と中山1200のコース形態を考えるとスローの流れ。遅い流れで中団やや後方を追走し、10.9-11.1-11.7とかなりのトップスピードを問われたものの楽に対応し、最後ラップが落ち込んだところで一気に差してきました。本馬の上がり3ハロンが33.0で、おそらく11.0前後を3ハロン連続させています。スノードラゴンも同じ上がりを使って4着でしたが、コーナーで通した位置を考えるとなかなかえげつない脚を使っています。
安田記念は惜しい3着。内枠だったので外に上手く持ち出すことができなかった分、惜敗してしまいました。このレースは45.5-46.0の平均ペースで、上がりが11.6-11.0-11.3-12.1。やはりラスト落ち込んできたところでの脚は強烈でした。安田記念に限らず東京マイルは後傾型のスプリンターが走りやすい条件で、ロードカナロアやストレイトガールはこの舞台でG1を勝っています。この手の後半にしっかりと脚が使えるスプリンターは、1200でも対応できるものの本質的にはマイラーなんだと思います。距離が延びる分、追走が楽になって自慢の末脚を活かしやすいからです。
京王杯は重馬場で全体時計がかかった競馬。これは36.4-12.6-34.2と超に近いスローでしたが、このスローペースにもかかわらず脚が溜まるのがいいところ。先行勢が人気薄だったこともありますが、鮮やかな競馬でした。グランシルク相手にも斤量差が2キロある中で、上がり3ハロンもこちらが上でしたし、馬場の対応込みでこちらの方が上手でした。
好走時ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/03/26 | 高松宮記念 | 中京 | 1200 | 1 | 3 | L4 | 高速 | 超失速 |
16/10/02 | スプリンターズS | 中山 | 1200 | 3 | 1 | L4 | 高速 | 失速 |
16/07/03 | CBC賞 | 中京 | 1200 | 3 | 1 | L2 | 超高速 | 失速 |
香港を除いた4~7戦目も振り返ります。
高松宮記念は33.8-34.9のややハイペース。自身も34.4-34.6の前傾で追走しています。馬場に関しては次走の京王杯スプリングカップでこなしているので、問題は前半のペースにあったのでしょう。スプリント戦でも自身はずっと後傾ラップで好走しているので、前半からスピードを問われたときに少し課題がありそう。
16スプリンターズSは17とほとんど同じなので軽く。33.4-34.2と平均ペースで、自身は34.1-33.5の後傾ラップを踏んで、ラストの落ち込みを活かして突っ込んできました。
16CBC賞は高速馬場で33.8-33.4のややスロー。ただ、スローといっても12.2-10.7-10.9-10.9-10.8-11.7と2ハロン目から10秒台が続くかなりのハイスピード戦。これを後方から追走し、スローに乗じて粘るラヴァーズポイントとベルカントをゴール前でかわしました。自身はやはり34.5-32.7とかなりの後傾で走っており、スプリント戦では忙しいけれども最後は届くというレースを、芝路線転向後からすぐにみせていました。
マイルチャンピオンシップにむけたポイント
現状評価:◎~△
スプリント戦では、前半で脚を使わないことでラスト1ハロンの失速ポイントでも止まらない強烈な末脚を引き出していました。これがマルターズアポジーの作るペースで再現できるかがポイント。
マイルでも後方からの競馬になるでしょうから、前半の追走は楽でしょうし京王杯スプリングカップのように脚も溜まるでしょう。
少し気になるのは最高速度。馬場が少し渋れば低速戦になる可能性もありますが、この馬は爆発的なトップスピードがある馬で、軽い馬場の方が持ち味が活きると思います。重馬場の京王杯は超スローだったために、結果的にはトップスピードの高さも必要でした。
マルターズアポジーが分散して逃げるとなると、明確にトップスピードを放出するタイミングが難しくなります。そういったレースをやっていないので、そこをどう判断するかがカギになりそうです。最後は失速する中でも確実に伸びてこれるので、軸にしなくても相手の中心として買う可能性が高いですが。