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2018年日本ダービーに向けた前哨戦レビュー第3弾は、京都新聞杯がテーマです。
1着ステイフーリッシュは、新馬勝ち直後のG1ホープフルステークスで3着。共同通信杯では大敗しましたが、馬体を戻した京都新聞杯で今までにない積極策。まだまだ底をみせていない魅力があります。
2着アドマイヤアルバは、新馬戦2着の後でオープン特別に挑戦し2着。勝ち切るまでに5戦かかったように、勝ち味の遅さはありますが(2,6,1,0)と全く崩れていません。1600,1800ばかりを使っていましたが、いきなり2200の京都新聞杯で2着したように、こちらも未知の魅力たっぷりです。
ポテンシャルが計り知れない2頭だけに、穴馬候補として注目している人も多いでしょうが、ダービーの舞台に適性があるかどうか、しっかりチェックしていきます。
レースラップ
12.5-10.5-11.7-11.7-12.1-13.2-12.6-12.1-11.3-11.4-11.9
(58.5-13.2-59.3=2:11.0)
最速地点 | 最高速度 | 失速度合 |
L3 | 高速(11.3) | 失速(0.6) |
メイショウテッコンが序盤から積極的に飛ばしたため、前半は58秒台のハイペース。2番手ステイフーリッシュが59秒ちょうどくらいで、最後方にいた人気のフランツが1分1秒台で前半を通過しました。メイショウテッコンが単騎、ステイフーリッシュも3番手以下を少し離して、3番手からは縦一列の隊形でした。
ここから淀の坂に備えて、メイショウテッコンがペースを緩め、馬群が凝縮します。下りのL4地点からペースが上がり始め、コーナーのL3地点が最速。直線早々にステイフーリッシュが後続を引き離し、コーナーでまくっていったアドマイヤアルバが単独2番手。L1地点でステイフーリッシュとアドマイヤアルバの差が詰まりかけますが、ステイフーリッシュがしぶとく残り100から差が詰まりません。馬群の中を通したシャルドネゴールドが迫りますが、ステイフーリッシュは快勝。アドマイヤアルバはなんとかハナ差残して、大きな2着を確保しました。
京都の芝も高速馬場でしたが、同日にプリンシパルステークスが行われた東京ほどではありませんでした。前半が速かったこともありますが、2:11.0という勝ちタイムは優秀です。
少なくとも2014年ハギノハイブリッドの2:11.0、2015年サトノラーゼンの2:11.3の時の馬場よりは明らかに時計がかかっていたので、これらよりは一段階上の評価ができます。13年キズナと16年スマートオーディンが2分12秒台の走破時計で勝っていますが、馬場状態はこちらの方が近いので、それを考えると全体時計だけの評価になりますが、近年では最高レベルの京都新聞杯でした。
予想結果
印 | 馬名 | 結果 |
◎ | レイエスプランドル | 6番人気11着 |
◯ | ケイティクレバー | 5番人気9着 |
▲ | グローリーウェイズ | 2番人気4着 |
☆ | アールスター | 15番人気13着 |
△ | レノヴァール | 9番人気14着 |
△ | アドマイヤアルバ | 11番人気2着 |
△ | ダブルシャープ | 14番人気15着 |
11番人気だったアドマイヤアルバは買い目にいれていますが、安定感はある馬なのでヒモで買う判断自体はたいしたことではありません。
ステイフーリッシュは後方からで届かないという予想でしたが、見事な先行策で完敗です。
各馬回顧
1着13ステイフーリッシュ
共同通信杯ではマイナス12キロと体調も今一つでしたが、見せ場のない競馬でした。
京都新聞杯はプラス16キロと馬体も回復し、意外な積極策。これが功を奏したとも言えますが、先行馬には厳しいペースでした。ステイフーリッシュ自身も前半を59秒前後で通過していますし、ここから緩んだとはいえ、L3地点で最速ラップを踏む持続戦で早めに脚を使わされています。
それでも、直線で粘るメイショウテッコンを軽く突き放し、アドマイヤアルバの猛追も退けました。残り200ではアドマイヤアルバの勢いが完全に上でしたが、ゴール前は脚色が一緒だったようにスピードの持続力もなかなかのものがあります。
新馬戦は超スローで軽い上がり勝負を快勝し、ホープフルステークスは特殊なペースではありましたがタフな持続戦でジャンダルムに迫る3着。適性がわかりづらい馬でしたが、京都新聞杯の競馬からは、高速馬場で前半のスピードも問われる中間速の持続戦がベストでしょう。
いろんな条件付きに見えますが、ダービーという意味ではドンピシャの適性です。イメージとしては、2012年のトーセンホマレボシが近いでしょうか。トーセンホマレボシも超高速馬場だったとはいえ、2:10.0というレコードタイムで京都新聞杯を制覇。ラップ推移も非常に似ていて、前半ハイペースから中団で大きく緩んでL3高速失速戦。これを先行して押し切りました。
トーセンホマレボシは続くダービーでも、積極的に逃げるゼロスについていって、粘り込んでの3着。ワールドエースやゴールドシップが33秒台の脚で追い込みましたが、上がり36.1で先着しました。
ステイフーリッシュも、今回の京都新聞杯のように先行して前半のスピードを活かす形ならば、スローで進めたい有力馬を封じ込めることが可能です。ジェネラーレウーノは前半から積極的な競馬をするでしょうから、これについていって直線入口から強気のスパートをかけられれば、混戦の今年ならば十分に虚を突くことができるでしょう。
乗り替わりで横山典弘騎手とのコンビになりましたが、これは難しいですね。劇薬ですから、強気な競馬ならばアタマまでの魅力がある騎手ですし、スタートで失敗するようだと勝負に参加しない可能性も。こればかりは丁半博打ですが、人気もそんなにしないでしょうし、それならばステイフーリッシュから勝負したいと思っています。
2着08アドマイヤアルバ
スタートは普通に出ましたが、初距離のことも考えてか、中団からの競馬を選択します。
そのまま中団でじっと競馬を進めますが、残り600のハロン棒の手前から猛スパート。最速地点となったL3地点で一気に大外をまくっていって直線へ。早めに脚を使いましたが、そこからももう一伸びし、ただ1頭ステイフーリッシュに迫ります。しかし、残り100で脚色がいっぱいになって、ステイフーリッシュには届かず、最後はシャルドネゴールドに並ばれましたがなんとか残して2着を死守しました。
詰めが甘い馬として早くから有名でしたが、負けた相手も軒並み未勝利戦としては強い相手でしたし、クラスが上がっても馬券圏内を外していないことからも、潜在能力は非常に高いです。
そのうえで、今回は最速地点だった4コーナーで大外を回すロスがありながらも、ゴール直前まで伸びましたし、着差はあったもののステイフーリッシュに近い評価をしてもいいと考えています。速かったコーナーを馬群の中でやり過ごした3着シャルドネゴールドや4着グローリーウェイズよりは、京都新聞杯単体での評価は明らかに上です(グローリーウェイズは直線で少し詰まった分の不利はありました)。
京都新聞杯は初距離だったので控えましたが、おそらくもっとポジションを取っても問題なさそうです。これまでは33秒台の上がりを使うレースだと惜敗し、35秒台の上がりで2勝していますから、タフな流れになった方がいいでしょう。
そういった意味でも、ダービーでは強気な先行策が必要になってくるかと思います。鋭い脚も使えますが、ダービーの有力馬と比較すると、持続戦に持ち込んだ方が優位に立てそうです。積極的な競馬ができれば怖い1頭です。
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