2018年4月29日の京都競馬場メインレースは、春の長距離王決定戦・G1天皇賞春です!
昨年はキタサンブラックが2連覇を達成し、2006年のディープインパクト以来11年続いていた1番人気の連敗を止めてみせました。ただし、その間もメイショウサムソン・フェノーメノ・ゴールドシップと、今となっては1番人気でなかったのが不思議に感じられる名馬が勝っているように、やはり伝統と格式の高いレースです。
しかし、近10年は人気薄の活躍が目立っています。もっと遡れば、堅い春天・荒れる秋天と言われている時代もありましたが、本格派ステイヤーの生まれる土壌がない現代では、春の天皇賞の方が荒れる可能性が高いのも仕方ないところです。
今年はG1馬がシュヴァルグランただ1頭と、1週前登録の段階から怪しいムードが漂っていました。そして、追い打ちをかけるように、春の天皇賞8勝のレジェンド・武豊騎手が騎乗停止となってしまいました。有力馬クリンチャーへの騎乗が予定されていましたが、先行馬で馬群のペースを握る存在だっただけに、馬群にとっては優秀なペースメイカーがいなくなってしまいました。
阪神大賞典1,2着のレインボーライン・サトノクロニクル、日経賞1,2着のガンコ・チェスナットコートと、有力馬は比較的フレッシュですが、シュヴァルグランと10歳馬カレンミロティック以外は春の盾の舞台で好走経験がない馬達。何が起こってもおかしくない、波乱の予感が漂う淀の坂越え決戦となりそうです。
以下、過去10年の上がり傾向、私の過去予想、天皇賞春のポイントとなります!
過去10年の上がりラップ傾向
年 | 最速地点 | 最高速度 | 失速度合 |
08 | L3 | 高速 | 超失速 |
09 | L2 | 高速 | 失速 |
10 | L3 | 高速 | 超持続 |
11 | L3 | 高速 | 超失速 |
12 | L4 | 高速 | 超失速 |
13 | L2 | 低速 | 失速 |
14 | L2 | 高速 | 失速 |
15 | L2 | 低速 | 持続 |
16 | L3 | 高速 | 持続 |
17 | L3 | 低速 | 失速 |
(11は稍重)
(最高速度:11.0~11.4は高速、11.5~11.9は低速)
(失速度合:最速地点とL1の差が0~0.2は超持続、0.3~0.5は持続、0.6~0.9は失速、1.0~は超失速)
長距離戦で大逃げを打つ馬も多いので、前半のラップは鵜呑みにできません。しかし、有力馬が早めに動く傾向が強く、かつ、力のない逃げ馬は3,4コーナーで早くも脱落するケースが多いので、上がりラップに関しては数字にもそれなりの信頼度があります。
上がりはL3最速が最も多いですが、ラップ推移やレース映像からもL4地点の淀の下り坂からペースが上がり始めます。勢いがついたL3地点が数字上は最速となり、ほぼ400mの直線ではL2地点ではコーナーでついた勢いが持続しますが、L1地点でさすがに苦しくなるという流れが基本的な天皇賞春のレース傾向となります。
昨年はヤマカツライデンがとばしていった前半1000mは58.3と速かったですが、だいたい1分くらいで1周目のゴール板を通過します。そして、そこから2週目の淀の上り坂までが、ゆったりとしたペースになります。
ビートブラックが大波乱を演出した2012年も、向正面では12.7が3連続で続いているように、ここではいかに前が飛ばしていたとしてもペースが落ち着きます。ここで動いていけるのは、ヒシミラクルやゴールドシップレベルの持久力お化けくらいですので、それなりに有力な逃げ馬がいるときに中盤で緩めすぎると、ビートブラックやイングランディーレのような大逃げが決まってしまいます。
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過去の予想結果
年 | 本命馬 | 結果 |
16 | カレンミロティック | 13番人気2着 |
17 | ファタモルガーナ | 15番人気10着 |
天皇賞春は2桁人気をほぼ毎年本命にしているような気が・・・。天皇賞春で来る人気薄は、ほとんどの馬がL2最速の瞬発力勝負の競馬で負けてきている持続力型ばかりです。また、小回りの競馬が合わずに人気を落とした馬も狙いやすいです。3,4コーナーは緩やかなカーブですので、コーナーでの器用さは必要ありません。
カレンミロティックは、宝塚記念2着はありますが、条件戦では京都や阪神の外回りに良績が集中していた馬です。天皇賞秋・ジャパンカップでの大敗から人気を落としていました。
ファタモルガーナは、シュヴァルグランとサトノダイヤモンドのワイド1点に踏み切れず、無理やり気味に探した穴馬。ステイヤーズステークスでの成績が目立ちますが、新潟や東京の長い直線コースが本質的には向いている馬でした。
ワイド3.5倍は微妙でしたね・・・。サトノダイヤモンドは危うくアドマイヤデウスを差し損ねるところでしたし。
天皇賞春のポイント
ヤマカツライデンが逃げ、トミケンスラーヴァ・カレンミロティック・ガンコが2番手グループという展開は、スタートアクシデントがない限り確実でしょう。
問題は、ガンコ以外の有力馬のポジション。レインボーラインは後方からになるでしょうし、サトノクロニクルもテンが素軽いタイプではありません。クリンチャーは前走で先行できましたが、こちらもゲートから前向きに出ていく馬ではありません。クリンチャーは乗り替わりになりますし。
シュヴァルグランは先行して、3列目の内側を狙う競馬になるでしょうが、キタサンブラックというわかりやすい目標めがけて競馬をすることが多い馬だったので、自分から動いていく形を取れるでしょうか。
なんだか大逃げが決まりそうな不穏なムードですが、肝心のヤマカツライデンは本質的にはスロー逃げタイプなので、離していくと昨年のように坂の上りでいっぱいになりそうです(昨年はさすがに前半が速すぎましたが)。
難しいレースになるでしょうが、ひとまずはシンプルに特注馬を選んでおきます。ここ2戦は完敗ですが、2~3年前のレース映像と見比べると力落ちは全くなさそうで、得意条件に代わっての上積みが見込めるのではないでしょうか。
特注馬は[最強]競馬ブログランキングへ(40位前後にいます)
明日以降、注目馬を中心に出走予定馬の戦績を振り返っていきます。