チャンピオンズカップ個別分析2頭目は昨年の覇者サウンドトゥルーです!
昨年は4コーナーでインを狙ってそこから外に持ち出し、粘るアウォーディー相手に豪脚一閃。見事な差し切りで初の中央G1を制しました。
今年は勝ち切れないレースが続いていましたが、前走のJBCクラシックでまたしても、内で粘る各馬を嘲笑うかのような鋭い末脚で混戦を断ち切りました。
とにかくはまるとすごい脚を使う馬ですが、2年連続でその末脚を繰り出すことができるでしょうか!?
それでは、サウンドトゥルーの近3走ラップ、好走時ラップ、チャンピオンズカップにむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/11/03 | JBCクラシック | 大井 | 2000 | 4 | 1 | L2 | 低速 | 持続 |
17/09/27 | 日本テレビ盃 | 船橋 | 1800 | 3 | 2 | L3 | 低速 | 超持続 |
17/06/28 | 帝王賞 | 大井 | 2000 | 3 | 4 | L2 | 低速 | 失速 |
(JBCクラシック・帝王賞は重、日本テレビ盃は稍重)
JBCクラシックは見事な差し切りでしたが、この馬にとっては進境をみせたレースといえます。ペースは62.1-62.4と平均で、12.1-12.5-13.1-12.2-12.5と少し早めから動きだしが始まるものの、コーナーで一度緩みます。L3地点での緩みは大井外回りではよく見られるものです。そして、直線へ向いてグッと急加速しますが、コーナーでの緩みが大きかったためラストの失速はあまり大きいものではありませんでした。以前はもっとはっきりL1で失速するレースに強い印象でしたが、外から勢いをつけてまわったことで、減速幅の大きいコーナーでスピードが殺されなかったのがよかったのでしょうか。
日本テレビ盃は49.2-13.4-50.3と若干前がかりのレースで、12.9-12.4-12.4-12.5とラスト600mはほぼ等速ラップ。ここは早めに進出を開始したことで、先頭集団に追いついていた分ラストまで頑張れた印象が強いです。船橋は3コーナーから動き出しが開始することが多いですが、おそらくここで溜めていたら直線で届き切らなかったと思います。そういう意味ではまずまず。
帝王賞は以前までの弱点だったと思われる、仕掛けどころが遅くなるレースでした。62.1-62.3とJBCと同様に平均ペース。12.3-12.6-12.2-12.8とこのレースはコーナーでの緩みは比較的小さく、L2最速戦。今までの負けパターンに近い競馬で前に届き切りませんでした。L4~L5の段階から前が速くなって、終い失速するところをズドン、という脚の使い方をしたい馬です。そういった意味で、この秋2戦は今までにない形での好走が続いており、今がまさに充実期なのかもしれません。
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好走時ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
16/12/04 | チャンピオンズカップ | 中京 | 1800 | 6 | 1 | L4 | 高速 | 超失速 |
15/12/29 | 東京大賞典 | 大井 | 2000 | 3 | 1 | L4 | 低速 | 失速 |
15/10/07 | 日本テレビ盃 | 船橋 | 1800 | 3 | 1 | L3 | 低速 | 超失速 |
16年以前に勝っている3鞍はいずれもロングスパートでL1で大きく失速しているレースです。
昨年のチャンピオンズカップは、48.8-11.8-49.5と平均に近いペースですが、中盤が速かったです。11.8-11.8-12.4-12.3-13.0と残り5ハロンから連続して11秒台となるレース。下り坂で勢いが一気について直線の坂をその勢いで上りきり、坂の後の200mで大きく減速したレース。これをコーナーでは内で我慢し、直線にむいて外に進路を確保し突き抜けました。コーナーで内をついた大野騎手の肝の据わった騎乗が冴えわたっていましたが、サウンドトゥルーも得意のロングスパート失速戦の適性に加え、コーナーで内をついても勢いを乗せられる資質をみせました。コーナーでの立ち回りの上手さが、カフジテイクやノンコノユメに比べると優れているところですね。
初G1勝ちとなった東京大賞典も、11.9-12.0-12.6-12.3-12.9というL5地点が高速で最速のロングスパート戦。このパターンになれば本当に強いです。
また、初重賞勝ちにしてクリソライトとコパノリッキーをぶっちぎってアッと言わせた15日本テレビ盃も、今年の日テレ盃とは違い12.2-12.1-12.9-13.1とL4~L3地点が明確に速いレース。これだけ上げればこの馬の勝ちパターンがお分かりいただけるかと思います。
チャンピオンズカップにむけたポイント
現状評価:◎~▲
残り1000から長い下り坂が続く中京コースは、中盤からペースが速くなりがちという意味でサウンドトゥルーにとってベストのコースだと思います。
今年は逃げ馬がどれになるかはわかりませんが、テイエムジンソクが持ち味を活かすために早めのスパートを打つでしょうから、この馬にとってはシメシメな展開です。
さらに、ここ2戦の内容が今までにない流れでの好走で、7歳にして完全に本格化した可能性もあります。
今年で引退、残り2戦というのは残念ですが、その分この2戦に賭けるものは大きいでしょうし、今の充実ぶりで得意な流れになりそうだということをふまえると、かなり2連覇のチャンスは大きいのではないかと思います。今年は前2年より人気にはなるでしょうが、3年連続での本命も十分にあり得ると考えています。