ジャパンカップ個別分析第5弾はシュヴァルグラン。
3歳夏以降はグランプリレースである宝塚記念・有馬記念以外はすべて馬券圏内に入っている堅実派です。昨年のジャパンカップもキタサンブラックには離されましたが、最後まで伸びて3着は死守。大崩れなく堅実に自分の脚を使ってくる馬で、その安定感を活かして上位人気馬が上手くいかなかったときの隙を狙いたいですね。
それでは、シュヴァルグランの近3走ラップ、好走時ラップ、ジャパンカップにむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/10/09 | 京都大賞典 | 京都 | 2400 | 1 | 3 | L2 | 高速 | 超持続 |
17/06/25 | 宝塚記念 | 阪神 | 2200 | 6 | 8 | L3 | 低速 | 持続 |
17/04/30 | 天皇賞春 | 京都 | 3200 | 4 | 2 | L3 | 低速 | 失速 |
(宝塚記念は稍重)
京都大賞典はスタートから上手くいかず、ちぐはぐな競馬になってしまいました。序盤が最後方になってしまい、開幕週の馬場もあったので早め進出は悪くなかったと思いますが、最内をついたスマートレイアーと内で粘ったトーセンバジルには届きませんでした。あの内容でも最後まで脚を使ったのは悪くはなかったですが、消化不良の1戦にはなってしまいました。ラップ的には平均ペースで11.7-11.5-11.4-11.5という中速のロングスパート戦。平均的に脚を使う流れでコーナーでもそれなりの脚が必要になった分、内外の差は大きかったですし、この着差なら悪くないとは思います。
宝塚記念は意表をつく逃げの手。前半はスローに落として残り6ハロンから11秒台後半を刻む超ロングスパート戦に持ち込みました。結果は惨敗でしたが、対キタサンブラックを考えると奇襲としての意図はわかる騎乗だったと思います。天皇賞や阪神大賞典で好走しているように、基本はステイヤーでしょうし、キタサンにスローから3ハロン勝負に持ち込まれてはかなわないと思えば、こういった乗り方をしてみるのも一案としては悪くないです。ただし、11秒台が続いたことで、自分が苦しくなってしまったのも事実。この馬自身も超ロングスパート適性はありませんでした。
天皇賞は序盤はヤマカツライデンが引っ張って速かったですが、途中から緩んでラストは12.2-11.6-11.7-12.2の上がり。キタサンが得意とするL3からのスパートで、シュヴァルグランもしっかり対応しサトノダイヤモンドには先着しましたが、キタサンとの差は大きかったです。この馬自身もL3最速勝負の適性は高いです。ただし、キタサンブラックと適性がかぶってしまっている分、G1ではなかなか勝ち切れないといった感じ。
好走時ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/03/19 | 阪神大賞典 | 阪神 | 3000 | 2 | 2 | L3 | 低速 | 失速 |
16/11/27 | ジャパンカップ | 東京 | 2400 | 6 | 3 | L3 | 高速 | 失速 |
16/11/06 | アルゼンチン共和国杯 | 東京 | 2500 | 2 | 1 | L2 | 高速 | 持続 |
阪神大賞典はシュヴァルグラン得意のL3最速戦でしたが、サトノダイヤモンドに屈した形。これに関してはサトノダイヤモンドは相手がシュヴァルグランしかいないようなレースでしたし、いい目標にされて動かれた分の差です。
昨年のジャパンカップは最後外から伸びて接戦だった3着争いを制しました。キタサンブラックが逃げ切り、ゴールドアクター・リアルスティールの先行勢も粘った中で最後までしぶとく伸びていたので、ラップ適性は高そうです。ただし、キタサンブラックがこの馬にとっては目の上のたんこぶになっています。
アルゼンチン共和国杯に関しては、オープンクラスでの一連の戦績からみると少し意外な競馬。道中はスローペースで、12.4-11.7-11.1-11.4とL2最速でラストも落ち込んでいない、仕掛けが遅いトップスピードを要求されたレースでした。500万・1000万はこの内容でも勝っていましたが、準オープン以降ではこの流れを走っておらず、しかも上の条件ではタフなL3低速戦で結果を残していました。このクラスでも、トップスピード戦に対応できるのを示した格好で、L3最速戦ベストも適性の幅は広いことを証明しました。また、グランプリコース以外は崩れていないことをみると、広いコースの1周戦が合っているのでしょう。
ジャパンカップにむけたポイント
現状評価:△
L3最速戦でキタサンブラックに負け続けているのはマイナスポイント。この馬自身も崩れていないので、適性は高いですがどうやってもキタサンに届かないとみると、アタマ候補には残念ながらなりません。
アルゼンチン共和国杯の競馬にも対応できるとなると、適性の幅は広そうで、その分器用貧乏な感じも受けてしまいます。どの展開でもラストはそれなりの脚を使えるものの、突き抜けるまでの明確な武器は感じられません。
安定して差してこれる末脚はあるので、2,3着候補としてヒモで買う分には間違いなく入れておきたい馬ですが、人気もそこそこあることをふまえると3着で買うくらいが限界でしょうか。デムーロ騎手が選ばなかったことで、人気がガタ落ちなんてことはないですよね・・・!?