2018年10月21日の京都競馬場メインレースは、牡馬三冠最終戦であり3歳馬には過酷な3000mの長距離戦・G1菊花賞です!
3000m超のレースは現在6レースしか施行されておらず、当然3歳馬にとっては全馬が初距離となる過酷なマラソンレースです。
20世紀の菊花賞は「最も強い馬が勝つ」と言われているように、古馬になってからもトップクラスの活躍をする馬が多かったですが、21世紀に入ってからは世代間での長距離適性の差で栄冠をつかみ古馬になってからはイマイチという馬が多くなってきています。
それでも、近3年の勝ち馬はキタサンブラック→サトノダイヤモンド→キセキと素晴らしいラインナップ。キタサンブラックは言うまでもなく、サトノダイヤモンドもこの後の有馬記念でキタサンブラックを撃破。キセキも春はスランプでしたが、毎日王冠で復活の兆しを見せ、秋のG1戦線でも楽しみな存在です。
今年はダービー馬ワグネリアンが天皇賞秋へ向かいますが、皐月賞馬にしてダービー2着のエポカドーロを中心に、春のクラシック上位組が多数参戦。
さらには、古馬相手に1000万条件を勝ち上がった馬が5頭、1600万条件を勝ったグローリーヴェイズ、新潟記念を勝ったブラストワンピースと夏の間に実力を証明した馬が例年になく多いです。
クラシック前にはダノンプレミアムを除いて微妙なレベルと目されていましたが、今年の3歳世代はレベルが高そうです。何頭か世代トップクラスがいませんが、それでも層が厚いメンバーの中でのレースとなるため、菊の大輪を手にして古馬戦線に殴り込みをかける馬が出てくることに期待します。
以下、過去10年の上がり傾向、私の過去予想、菊花賞のポイントとなります!
過去10年の上がりラップ傾向
年 | 最速地点 | 最高速度 | 失速度合 |
08 | L3 | 低速(11.5) | 超持続(0.2) |
09 | L3 | 高速(11.4) | 失速(0.8) |
10 | L3 | 低速(11.8) | 超持続(0.1) |
11 | L3 | 低速(11.5) | 持続(0.5) |
12 | L2 | 低速(11.8) | 失速(0.6) |
13 | L2 | 低速(11.8) | 持続(0.5) |
14 | L2 | 低速(11.6) | 超持続(0) |
15 | L3 | 低速(11.6) | 超持続(0) |
16 | L2 | 低速(11.5) | 超持続(0.1) |
17 | L2 | 超低速(12.7) | 超失速(1.2) |
(13,17は不良、残りは良馬場)
(最高速度:11.0~11.4は高速、11.5~11.9は低速、12.0~は超低速)
(失速度合:最速地点とL1の差が0~0.2は超持続、0.3~0.5は持続、0.6~0.9は失速、1.0~は超失速)
昨年は、史上最悪の馬場コンディションの中での競馬だったので参考外です。
最速地点自体はL3とL2がちょうど五分五分。L4最速戦がないように、超長距離戦にありがちな消耗戦の超ロングスパート戦にはなりません。
この理由は、なんといっても世代限定戦・3冠レースであること。古馬の超長距離戦は、スタミナに自信がある馬、スピードが足りないけれども長い距離を走ってもバテない馬が揃うので早めスパートもあります。しかし、菊花賞は将来的には2000m前後を主戦場とする馬でも、生涯一度の晴れ舞台に立つために使ってきますので、3000mの距離を持たせようと仕掛けが遅くなりがちです。
しかし、勝っている馬に関してはL4地点の淀の下り坂から動いても最後まで脚が持続する馬が多いです。
通過順位を見ても、08オウケンブルースリが12-10-2、11オルフェ―ブルが10-6-3、12ゴールドシップが17-4-2と向正面のポジションから大きく順位を上げて3コーナーに突入しています。
逆に言えば、差し・追込タイプであれば向正面から動いていけるような馬でないと厳しいということです。
また、いくら長距離に備えて仕掛けを遅くしたとしても、全馬未知の3000m戦で消耗が激しい中で勝負どころを迎えるので、最高速度は低速戦がほとんど。さすがにトップスピードが強く求められることはありません。
前半のペースに関しては、玉砕逃げを打つ馬が例年いることからも、あまり過去ラップは参考になりません。1,2コーナーでは毎年緩み、L5地点の淀の坂を登る地点でも少しスピードが落ちますが、向正面のペースに関しては年によってまちまちです。
重要なのは、3,4コーナーである程度の位置につけられること。先行馬であれば、下ってからの3ハロン、差し馬ならば淀の坂からの4~5ハロンを11秒台半ばから後半で走る続ける能力が必要となります。
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過去の予想結果
昨年は42年ぶりの3分10秒台で、戦後2番目に遅いタイムの決着。もう二度と見ることはできないレベルの消耗戦でした。クリンチャーは良馬場でも菊花賞で狙いたいと春から考えていた馬で、馬場をこなして好走してくれました。
ジュンヴァルカンは、あずさ賞・三田特別とロングスパートからのL2加速戦で連勝しており、適性的には面白かったのですが後方からの競馬で万事休す。
やはり、ある程度のポジションを取れないと勝負にはならないでしょう。ジュンヴァルカンが最後方からの競馬になるとは思っていませんでしたが・・・。
菊花賞のポイント
今年は、雨がさほど降っていないわりに京都芝は時計がかかる状態です。秋華賞で58秒台が出たように、開幕週よりは馬場が良くなっているようですが、それでも14年トーホージャッカルの年のような超高速馬場になる可能性は低そうです。
ペースを作るのはメイショウテッコンとジェネラーレウーノの2頭。どちらもロングスパート歓迎タイプの先行馬なので、序盤はあまり早くなりそうにありませんが、後半は淀の坂から早めにレースが動く可能性が高そうです。
例年以上に後半の持続力が強く問われそうなレースとなりそうで、前が早めに動くと物理的に後ろの馬はもっと早めにスパートする必要があることから、2,3着はともかく勝ち切るためには坂の下りでは前を捕らえられるようなポジションはほしいですね。
特注馬は、先行力があって早めスパートにも耐えられる馬を指名します。前走も強かったですが、見た目に反して超スローだったので見た目以上の評価は危険です。
しかし、2走前は道中速い流れのなかでも4角先頭くらいの位置から良く伸びました。上がりがある程度かかった方がいいので、今の高速状態にない京都ならばチャンスはあるでしょう。
玉砕覚悟のアイトーンはともかく、メイショウテッコン・ジェネラーレウーノあたりの有力先行馬を見る位置で競馬ができれば、いい意味でレベルが拮抗しているこのメンバーでもチャンスはあると思います。
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