阪神ジュベナイルフィリーズも有力馬を中心とした個別分析を行っていきます!まずは、新種牡馬オルフェーヴル産駒で牡馬相手に札幌2歳Sを制したロックディスタウンを取り上げます。
今年の牡牝混合2歳重賞で牝馬が勝ったのは札幌2歳Sのみ。唯一の混合重賞ウィナーとして、牝馬同士の戦いでは負けられないところ。
現状勝ち上がり率が低く、三振かホームランかという評価になっている父オルフェーヴルですが、ここでG1タイトルを取って父のポテンシャルも大いに宣伝したいところです。
それでは、ロックディスタウンの全2走ラップ、阪神ジュベナイルフィリーズにむけてのポイントです。
全2走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/09/02 | 札幌2歳S | 札幌 | 1800 | 1 | 1 | L2 | 低速 | 持続 |
17/08/06 | 新馬 | 新潟 | 1800 | 1 | 1 | L2 | 超高速 | 失速 |
解説では時系列順に追っていきます。
まずは新馬戦。中距離の新馬戦、しかも新潟ということもあって完全に直線だけの勝負になりました。前半1000m通過が64.8と超スロー。残り4ハロンは12.8-11.2-10.5-11.1と、600mだけの競馬になりました。2着タイムフライヤーは京都2歳Sで2着に入りましたし、3着シャルドネゴールド・5着ウォルビスデイ・6着ミッキーチャイルドと勝ち上がり馬が多数出ているレベルの高い新馬戦でした(ミッキーチャイルドはダートで未勝利勝ち)。特にタイムフライヤーは軽い上がりのレースで好走を続けていますし、これにスピード勝負に勝ったのはロックディスタウンのスピードの質の高さを表していると考えられます。
2戦目に選んだのは札幌2歳S。例年このレースは平均ペースで流れて、スタートからゴールまで9ハロンずっと12秒を刻むレースが多く、トップスピードだけで勝ち上がってきたロックディスタウンには不安点もありました。
その想定通り62.4-49.0と若干スローながらも延々と12秒台が続き、上がりも12.4-12.3-11.9-12.4とL2地点での加速力もさほど問われない流れに。スタート直後こそかかっていたもののすぐに折り合いがつき、中団前目の外でレースを進めます。4コーナーでいつでも先頭を伺える位置に進出し直線へ。内からファストアプローチが先に抜け出し、外からはまくってきた道営馬ダブルシャープが突っ込んできましたが、ロックディスタウンは直線入口からの加速力の高さを見せて両馬を振り切り先頭へ。内外から食らいつく相手に最後まで差を詰め切らせずに押し切りました。
新馬よりはしっかりと流れたレースで、上がりもトップスピードの高さよりは、直線の軽い加速はあったものの低速での持続力を問われたレース。新馬と全く違う適性を求められましたが、一発でクリアしたように非常に能力の高い馬です。特に目についたのは最速地点での加速力。内外の馬と比べて抜け出すときの瞬間的な速さが優れていました。どの流れでも、瞬間の加速力を使うことができるのは大きな強みです。
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阪神ジュベナイルフィリーズにむけたポイント
現状評価:◎~▲
2戦でガラッと違う中身の競馬を連勝してきたのは好感が持てます。
過去レース分析ページで書きましたが、1800以上の好走実績と持続戦の好走実績を併せ持つのも加点要素となります。
ただ、不安点がないわけではありません。なんといってもマイルは未経験なので、マイルで流れたときに前半の対応が上手くいくかは未知数です。ある程度の先行力はありますし、ハッキリとマイナスまでとは言いませんが、時々あるハイペースになった際は少し危険度が増しそう。
それでも2戦目で想像以上の器用さは見せましたし、ルメール騎手との手も合いそうな馬。連軸としては一番無難な存在といえるでしょう。