ホープフルステークスの過去レース分析ページはこちら
ホープフルステークスの個別分析は、レースまで間隔も短いということで有力馬を中心に行っていきます。
まずはメンバー唯一の重賞ウィナーであるジャンダルムを取り上げます。
短距離界の名牝ビリーヴの仔ながらマイルで連勝をあげているジャンダルム。前走もラストまで余裕のある手応えでしたので、距離も問題ないとみての参戦です。
無傷の3連勝でG1を制すれば、ダノンプレミアムに並ぶ実績になりますし、クラシックの最有力候補に名乗りをあげることになります。武豊騎手の全G1制覇に向けても、なんとしても勝ちたいレースですね。
それでは、ジャンダルムの全2走ラップ、ホープフルステークスにむけてのポイントです。
全2走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/11/11 | デイリー杯2歳S | 京都 | 1600 | 5 | 1 | L1 | 高速 | 超持続 |
17/09/09 | 新馬 | 阪神 | 1600 | 2 | 1 | L2 | 超高速 | 失速 |
時系列順に新馬戦から振り返ります。
五分のスタートから先行集団の外にとりつけ、逃げ馬の手応えをみながらいつでも抜け出せるポジションにつけます。4コーナーでは口向きの悪いところを見せましたが、馬なりで直線へ。外のロードラナキラの方が直線に入る際の勢いはありましたが、全くの馬なりで先行する2頭を残り200でかわします。そこから追い出すとラストまでしっかりと脚を使い、ロードラナキラにもしっかりと差をつけて、見事デビュー勝ちとなりました。
新馬戦ですので前半はかなりのスロー。50.9-46.4と前半はかなり楽で直線勝負に。上がりは12.6-11.3-10.9-11.6と4コーナーからスピードが上がり、直線では超高速戦に。一番速い地点が10.9と究極のトップスピード勝負でしたが、この地点を全く馬なりで走っていました。トップスピードの高さは申し分ないです。
残り200で抜け出してから追い出しを始めましたが、1頭になってもしっかりと走りましたし、外の馬より手応えを感じていたでしょうから、無理に追い続けることなくラストも11.6でまとめました。この1戦でスローの直線だけの勝負への適性の高さはすでに示しています。
デイリー杯2歳Sはアクシデントで武豊騎手が乗れず、アッゼニ騎手に乗り替わり。スタートが少しとびあがる形で、後方2番手から競馬を進めます。最内を通って少しずつポジションをあげますが、メガリージョンの故障があってごちゃつく形になって首を大きく上げるシーンも。それでも中団後ろ目のポジションで直線に入ると、内を突く形で追い出しを開始します。残り200で先頭に立ってからも伸び続け、先行して粘ったカツジにしっかりと差をつけて連勝となりました。
このレースもバランスはスロー。48.7-47.6と少し時計のかかる馬場でした。12.3-12.4-11.6-11.3と新馬よりさらに短い2ハロンでのスピード勝負。仕掛けどころが遅かったこともありますが、この馬だけ最後まで伸び続けた結果、ラップがL1最速戦になりました。
全体のペースがミドル以上になった場合の対応については未知数ですが、スローで直線だけの競馬になればトップスピードの高さ・持続力ともに高いレベルにあることは間違いありません。
スポンサーリンク
ホープフルステークスにむけたポイント
現状評価:▲~消し
マイルの経験しかなく、どちらもスローペースで仕掛けどころがかなり後ろ倒しのレースでした。
ホープフルステークスにつながるかと言われれば、つながらないと答えるよりありません。
幸いホープフルステークスも全体は流れることが多いですが、勝負どころはL2になりやすいので、全体がスローになってくれるようなら対応は可能でしょう。
また、昨年のレイデオロもそうでしたが、直線の上がり勝負しかやっていなくても絶対能力の違いで上位に進出する馬が多いのが2歳戦らしい傾向としてあります。
ジャンダルムの場合はデイリー杯2歳SでみせたL1最速の脚が絶対能力を感じさせるもの。緩いペースだったとはいえ最後まで止まらなかったのはポテンシャルの高さをうかがわせるもので、ここを評価すれば十分買えるでしょう。また、デイリー杯2歳Sは今年の季節外れ台風たちのおかげでパワーのいる京都で行われたもので、タフな馬場の中最後まで止まらなかったという意味で、ホープフルステークスでも走れそうな予感はあります。
上がりラップ適性を重視する姿勢からは、トップスピード力で勝ってきていることからあまり買いたくはないものの、通用してしまう能力の高さはありそうなので、馬券の扱いとしてはかなり難儀な1頭です。