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皐月賞の前哨戦レビュー第2弾は、弥生賞と双璧をなす中山競馬場で行われるステップレース・スプリングステークスがテーマです!
スプリングSからは優先出走権を獲得した3頭が順当に皐月賞に駒を進めることとなりました。ダノンプレミアム以外にはいまだ負けていないステルヴィオが、鬼の居ぬ間にG1制覇ということになるでしょうか?
2着エポカドーロ、3着マイネルファンロンともに3着以内を外していない堅実派。エポカドーロはそれなりの人気になるでしょうが、マイネルファンロンが来ると高配当になりそうですね。エポカドーロはオルフェーヴル産駒、マイネルファンロンはステイゴールド産駒ですが、今年の皐月賞出走馬でステイゴールド系なのはこの2頭だけ。G1に強い系統の血が騒ぐと不気味な存在ですね。
以下、スプリングステークスのレースラップ、私の予想結果、そして皐月賞出走馬の個別評価となります。
レースラップ
12.4-11.3-11.9-12.2-11.8-12.1-12.4-12.2-11.8 (47.8-11.8-48.5=1:48.1)
最速地点 | 最高速度 | 失速度合 |
L1 | 低速 | 超持続 |
(馬場は良)
(最高速度:11.5~11.9は低速、失速度合:最速地点とL1の差が0~0.2は超持続)
ラップ上はL1最速戦となっていますが、現3歳世代屈指のペースメイカー・コスモイグナーツが大逃げを打って残り200m付近まで先頭だったため、このラップはL1以外コスモイグナーツの走破時計です。ラストで一気にエポカドーロ・ステルヴィオが伸びたため、見た目上L1最速戦になっているだけですので参考外です。
スタートはエポカドーロと大外ライトカラカゼが好発進。コスモイグナーツは序盤ゆったりと入りたかったようですが、外2頭がダッシュを決めたためコーナーに入る前にはハナに立てるように主張していきます。
向正面に入った段階では、コスモイグナーツと2番手エポカドーロの差は3~4馬身程度でしたが、中盤3ハロンで12.2-11.8-12.1と緩めなかったので、後続との差がドンドン開いていきます。コスモイグナーツは前半1000mを59.6で通過しましたが、2番手以降は目測ですが62秒を切るくらいのゆったりとした流れでの追走となります。
残り600m通過時点でも、コスモイグナーツの逃げは2秒ほどのリードがありましたが、4コーナーでコスモイグナーツの鞍上・津村騎手の手が動き始めたあたりから、一気に差が詰まります。
4コーナーの出口でリードが5馬身くらいにつまり、ここから後続がスパートを開始するとあっという間にコスモイグナーツは飲み込まれてしまいます。
残り200mで先頭に立ったエポカドーロはL1地点でもよく伸び、直後から迫ってきていたハッピーグリン・マイネルファンロンを逆に突き放しますが、唯一ステルヴィオだけが鋭く追い詰めます。
最後はほぼ同時にゴールしますが、勢いに勝ったステルヴィオが先着。エポカドーロは完璧な競馬でしたが惜しくも2着まででした。
3馬身以上離された3着争いは8着まで0.2差の大接戦となりますが、マイネルファンロンがインを突いたバールドバイをなんとかしのぎ切って、価値ある3着をゲットとなりました。
予想結果
印 | 馬名 | 結果 |
◎ | ゴーフォザサミット | 4番人気7着 |
自信度を低めに設定していましたし、なんとか3着までに食い込んでくれて荒れるのを待ちましたが、ゴーフォザサミットが伸びきれませんでした。
マイネルファンロンも抑えていたので、馬券の買い方次第では3連系の馬券は取れたと思いますが、3連複が22.3倍しかついていません。投資を抑えた分、軽傷ですんでよかったです。
各馬回顧
1着08ステルヴィオ
懸念材料のスタートは、決して好スタートではなかったもののおっつけて馬群の中団についていきます。ちょうど馬群の中団につけ、道中はジッとしています。
3コーナーから4コーナーにかけて軽く促す形で進出し、大外に進路を取って直線でスパートを開始します。
坂を上り切るまでは、粘るエポカドーロとの差はジリジリとしか詰まらなかったですが、最後の50mで鋭く前に迫りギリギリのところで差し切りました。
レースラップはL1低速超持続戦ですが、実質的にはL2地点でコスモイグナーツと後続との差が一気に詰まっているので、ここで11秒台前半のスピードが出てラストが11.8というL2高速持続戦だったと考えられます。
ステルヴィオはトップスピードの持続力が最大の持ち味。ダノンプレミアムに敗れた2戦も、ともにラストまでしっかりと脚を使っています。
瞬発力に関しては他馬に対し優位に立てるほどのものはありませんし、ゲートが不安定な分ポジション面でのマイナス要素は常に持ち合わせています。
ただ、後方からの競馬とはいえ、マイルの2戦では自身も前半1000mを1分前後で走ったうえで、最後までしっかりとした末脚を発揮できているので、皐月賞のように全体的に流れるレースは向いていると思います。
瞬発力勝負になった分、スプリングステークスでは僅差の勝負になりましたが、もっとペースが流れて加速力が必要とならないラップになれば、さらにパフォーマンスを上げられるでしょう。
ダノンプレミアムがいないこのメンバーなら、能力・適性ともに上位ですので、まず馬券圏内には食い込んでくるでしょう。高速馬場の方がよさそうなので、雨は微妙なところです。
2着05エポカドーロ
L2地点での急加速にもしっかりと反応しましたし、むしろステルヴィオよりも瞬発力はあるような印象を受けました。
この馬はあすなろ賞の勝利が印象的ですが、34.7-38.5-47.6と極端な中緩みのレースでしたが、12.4-11.7-11.7-11.8と長く脚を使って3馬身半差の圧勝という内容。
2,3着は、後方からの競馬でロングスパート戦でバテた先行馬を拾った形での入線で、エポカドーロだけが強かったレースでした。
あすなろ賞のレースぶりからはロングスパート向きだと思っていましたが、スプリングステークスで瞬発力勝負に対応したように適性の幅が広く、絶対能力の高さもうかがえます。
ダノンプレミアムがいないなら、能力的にはステルヴィオと同等で最上位の評価をしたいと思います。問題は展開で、アイトーンとケイティクレバーが両隣にいるので、これらをどのように捌いて追走するのか。
藤原調教師は逃げた方がいいというコメントを出していて、これがブラフかどうかは図りかねますが、積極的に出していく可能性も。個人的には、速いペースで後続に脚を使わせるレースも面白いと思いますが、アイトーンは玉砕覚悟でハナを取りに来るでしょうから、乱ペースに巻き込まれてしまうのが懸念材料です。
能力上位かつ適性も問題ないので、ステルヴィオと差のない評価をしたいですが、こちらの方が展開面の不安から馬券圏内確率自体は少し低そうです。
3着12マイネルファンロン
スタートから先団を狙いますが、大外のライトカラカゼが積極的だったので、これを行かせて4番手からの競馬となります。
ペースが遅かったので道中はかかり気味の追走でしたが、なんとか4番手でなだめて3コーナーへ。コーナーでは一番最初に動き始め3番手に直線に入りますが、直線での瞬発力でエポカドーロと大きく差をつけられます。
トップスピードの高さではステルヴィオに大きく劣り、バールドバイやハッピーグリンにも差を詰められますが、L1ではなかなかしぶとく粘りに粘って価値ある3着を確保しました。
スローペースのトップスピード勝負では、質量両面で上位2頭とは大きな差があるのはスプリングステークスの結果通り。
良馬場でも堅実に走っていますが、唯一の勝利にして4馬身差の圧勝だった未勝利戦は重馬場でスピードが出ないレースでした。良馬場では厳しい戦いになるでしょうが、雨で馬場が悪くなってくれればワンチャンスも。
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