2018安田記念前哨戦レビュー~マイラーズカップ~

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 安田記念の過去レース・上がりラップ分析ページはこちら

 安田記念の前哨戦レビューは以下

 京王杯スプリングカップ

 安田記念の前哨戦レビュー第2弾は、マイラーズカップを振り返ります。第1弾の京王杯スプリングカップ編で4頭が出走予定と書きましたが、勝ち馬ムーンクエイクが回避。

 マイラーズカップ組では、1着サングレーザーをはじめとして、8着ダッシングブレイズ・9着ブラックムーンの3頭に加え、先週安土城ステークスからの連闘を予定している2着馬モズアスコットの4頭がエントリー。

 完全に本格化したサングレーザーですが、まだまだ底が見えておらずここでも非常に楽しみです。

 ダッシングブレイズは昨年エプソムカップ勝ちがあり、この時期の東京適性があります。ブラックムーンは2走前に京都金杯で重賞初制覇。回避となったムーンクエイクの代わりに、アドマイヤムーン産駒の代表としてG1を走ります。

 そして、除外候補でしたが出走権が回ってきたモズアスコット。こちらも、サングレーザー同様に底をみせておらず、連闘になりますが出走してくれば当然有力馬です。

 実績としては格下となる4歳2騎ですが、安田記念で初の栄冠を手にすることができるでしょうか!?

 以下、マイラーズカップのレース振り返り、およびサングレーザー・モズアスコット・ダッシングブレイズ・ブラックムーンの個別分析となります。

レースラップ

12.2-10.7-11.0-11.9-11.4-11.2-11.2-11.7 (45.8-45.5=1:31.3)

最速地点 最高速度 失速度合
L3 高速(11.2) 持続(0.5)

 超高速馬場でレコード決着となりましたが、ラップとしては前後半のバランスが取れたものになっています。スタートから4ハロン目で11.9と緩んでおり、時計としてはもっと出てもおかしくない、超高速馬場の中でも時計がでる極軽馬場でのレースでした。

 坂の上り下りで11.9-11.4と少し緩み、そこからは3ハロンのトップスピード持続戦になっています。中盤で澱んだ分だけ、終いも止まりきっていません。

 逃げタイプがいない中で、序盤は先行馬が雁行状態で様子を伺いあう感じでしたが、まずは内からベルキャニオンがハナを取ります。しかし、緩みを嫌った形で坂の上り始めでロジクライが先頭へ。前はばらけ気味で、サングレーザーテイエムイナズマより後ろはひと固まりでレースを進めます。

 前の馬群と後ろの馬群と2つに分かれた中で、4コーナーから後ろの馬群が進出をはじめ、直線入口では前後の間がなくなって1つの馬群の中での末脚勝負となります。

 直線を向いて2番手だったモズアスコットが先に抜け出し、200のハロン棒では後続に2~3馬身ほど差をつけます。しかし、ラスト1ハロンでエアスピネルとサングレーザーがモズアスコットを追い詰めます。エアスピネルはモズアスコットと同じような脚色になりますが、サングレーザーは最後まで伸び続け、最後は1馬身ほどの差をつけ快勝となりました。

予想結果

馬名 結果
ベルキャニオン 10番人気5着
エアスピネル 1番人気3着
ヤングマンパワー 5番人気12着
モズアスコット 2番人気2着

 マイラーズカップの予想公開記事はこちら

 もう少しスローになって、前残りの軽い上がり勝負になると思い、大穴でしたがベルキャニオンを狙いました。いい競馬はしてくれたのですが、上位3頭が強かったですね。

各馬回顧

1着05サングレーザー

 スタートは五分も押してはいかず、二分された馬群のうち後方の馬群の先頭を進みます。

 コーナーで前との距離を徐々に詰めていき、4コーナーでは前方の馬群に取りつく形で直線に入ります。前とのスペースがあったので、外にスムーズに出してスパートを開始。すぐ前にいたエアスピネルと残り200まで1馬身後方をキープする形で伸びていきます。

 そして、L1地点でエアスピネルの脚が鈍り始めたところでかわすと、猛然と先行して粘るモズアスコットに迫ります。最後は脚色の差が歴然。あっさり交わすと、1馬身ほどのリードをつけて重賞2勝目をあげました。

 マイラーズカップでは、高速馬場の中で11秒前後の脚を3連続させました。条件戦時代から、トップスピードを長く持続させる能力は見せていましたが、自身の上がりが34秒前後と少し時計がかかる馬場でないと持ち味が活きないと考えていました。

 スワンステークスも、重馬場で34.9-11.7-35.8のハイペース。11.7-11.7-11.9-12.2と瞬発力がなくても長く脚を使えれば、というレースで馬場のいい内をついて好走していました。

 また、マイルチャンピオンシップも勝ち時計が1:33.8で、11.9-11.5-11.6-12.1とトップスピードの高さが問われないレースで3着。3歳時点では、時計がかかってこそのタイプだという認識でした。

 しかし、年末の阪神カップはレコード決着の高速馬場。前で競馬をしたイスラボニータ・ダンスディレクターには届かなかったものの、自身33.5の上がりを繰り出して3着。ここで、意外と高速馬場でも走れるのかな?と思い直しました。

 そして、今回のマイラーズカップでの好走。ポジションが申し分なく、スムーズに外に出せたのは大きかったですが、33.2の上がりは圧倒的。上がり2位のガリバルディが自身より後方から競馬を進めて33.7ですから、力の違いを見せつけた形のレースでした。

 高速馬場には全く不安がないことがわかり、馬場不問でトップスピードを持続させる能力が非常に高いといえます。瞬発力に関しては、まだ上級条件でスローペースをやっていないのでわかりませんが、出し切る競馬ならすでに現役最上位クラスでしょう。

 安田記念は、前半からペースが流れて持続力が勝負を分けることが多いので、本質的には向いていそうです。ただし、今年はスローペース濃厚で、スピードが一気に上がった時にスムーズに対応できるかがポイントとなるでしょう。

 また、前走は隊形がサングレーザーにドンピシャだったので、内枠で囲まれた時に早めからエンジンをかけられるか。能力・適性的には最上位評価ですので、レースにいって運が向くかどうか。スローになるのであれば、外枠から出し切る競馬になった方がサングレーザーにとってはいいでしょう。ダービージョッキーとなった福永騎手が、先週のワグネリアンと同様に積極的な競馬をすれば最有力です。

2着09モズアスコット

 ゲートはスムーズで、序盤は前を行くロジクライ・ベルキャニオンを見る形で進めます。坂の上りでペースが緩んだところで一気に進出し、コーナーに入る辺りでは逃げるロジクライのピッタリ外を追走します。

 直線では、ロジクライが早めにいっぱいになったので馬なりで先頭に立ちます。直線半ばから本格的に追い出しますが、残り200で2~3馬身あった後続とのリードがゴール直前で一気に詰まります。

 エアスピネルは脚色がモズアスコットと同じになってしまいましたが、サングレーザーは最後まで伸び、これに抵抗できず2着。それでも、エアスピネルは完全に封じました。

 早めから動いた分、最後にサングレーザーには屈しましたが、高速馬場でのトップスピード持続力はみせました。十分に溜めた時のサングレーザーと比べると、少し持続力では劣りますが、総合力タイプの強豪エアスピネルを完全に封じ込んだように、高い能力は示しました。

 モズアスコットに関しては、先週の安土城ステークスも簡単に振り返った方がいいでしょう。

 12.4-11.6-11.6-11.4-11.1-11.0-11.6とバランス的には超スロー。ゲートで失敗し、完全に立ち遅れる形になりましたが、外に出して中団まで押し上げていきます。ドスローでしたので、内枠の利を放棄した形にはなりますが、溜めて前が詰まるよりはマシで次善の策としては悪くなかったと思います。

 しかし、外を回した分だけ苦しくなり長くいい脚は使ったものの内で溜めたダイメイフジとの接戦の末2着。賞金加算とならずに痛い結果となりました。

 この安土城ステークスでも、早めから動く形で外々を回しましたが、ゴール前まで長く脚を使いました。ここでもダイメイフジに敗れたように、一級品のトップスピード持続力はありますが、現役トップレベルとは言えないです。

 また、トップスピードの高さ自体もかなりのものを持っていますが、少し足りないレースが続いているように爆発的なものはありません。まとめると、上がりの質に関しては突き抜けるものはないものの、幅広い流れに対応できそうな総合力タイプです。

 オープン昇級後に唯一連対を逃した阪神カップが、33.6-11.2-34.7のハイペース戦。これを中団から追走して伸び悩んだことからも、前半は無理しない形がベストなのでしょう。

 連闘の状態面は気になりますが、G1のメンバーに入っても見劣りしない能力は持っています。サングレーザーとの比較となると、前半で無理しなければ互角の勝負が出来ると思うので、スローになりそうな今年の安田記念は悪くなさそうです。

 これという明確な武器が少し足りない総合力タイプで、エアスピネルより優れているとなると、十分にチャンスはあると思います。アタマでは少し買いづらいですが・・・。

8着07ダッシングブレイズ

 出負けして後方からの競馬を余儀なくされます。そのまま後方でじっと競馬を進め、サングレーザーの直後で直線を迎えます。しかし、直線で伸びがなく8着と惨敗でした。

 ダッシングブレイズはL3最速戦に良績が集中しています。エプソムカップが11.7-10.8-11.6-12.1と、東京の長い直線の始めからトップスピードに乗せて、終いは失速する中で粘る競馬に強いです。洛陽ステークスは持続戦でしたがL3最速で、1000万・1600万勝利もL3最速戦。

 基本的に早めから高いトップスピードを発揮して、失速戦を粘り込むという競馬で強いので、マイラーズカップのように高速馬場で最後まで止まらない馬場だと厳しいです。

 安田記念も超高速馬場でのレースになりそうで、よほどのハイペースで前が止まらない限りは厳しそうです。スローで先行して早めに出し抜く競馬なら・・・とは思いますが、よほど恵まれないと難しいですね。

9着10ブラックムーン

 いつも通りの後方待機策。4コーナーでも最後方からの競馬から末脚勝負に賭けますが、いつものような伸びはなく、ダッシングブレイズよりさらに後ろの9着に敗れました。

 こちらもダッシングブレイズに近いところがあり、早めから脚を放出したいタイプです。京都金杯は、ラップ上は12.4-12.1-11.4-11.6とL2最速ですが、ブラックムーンは下り坂から早めに動いていって脚を出し切っての勝利でした。

 1分31秒台で勝った米子ステークスは、47.1-44.8と極端なスローで11.4-10.7-11.1-11.6と早くからペースが上がりきったので、末脚をフルに発揮できました。

 トップスピード自体は非常に高いものを持っているのですが、瞬発力には乏しく、自分から動いていくかL3から勝手にペースが上がるのを待つかしかありません。

 さすがにここに入ると厳しいとは思いますが、今回の安田記念はどうも前半から速くなる気がしません。道中スローだと、足が全馬有り余るのでL3から10秒台に入る可能性があり、そうなった時だけ末脚を全開できるかもしれません。全開して届くかどうかは、また別の話ですが・・・。

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