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阪神ジュベナイルフィリーズ個別分析第5回はアルテミスS2着馬サヤカチャンがテーマです。
前走は単勝オッズ100倍超えの超人気薄でしたが、逃げて際どい2着。逃げてしぶとい競馬をみせました。
今回はコーディエライトとのハナ争いが注目されますが、序盤でどれだけポジションの折り合いがつくかがレース全体の流れにも左右してきそうです。登録メンバー中最多タイの6戦のキャリアを活かし、上手くスローに落とし込んで後続の脚を発揮させないレースで浮上を狙います。
それでは、サヤカチャンの近3走ラップ、阪神ジュベナイルフィリーズにむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/10/28 | アルテミスS | 東京 | 1600 | 13 | 2 | L3 | 高速 | 失速 |
17/10/08 | りんどう賞 | 京都 | 1400 | 5 | 5 | L1 | 低速 | 超持続 |
17/09/23 | 未勝利 | 阪神 | 1600 | 5 | 1 | L2 | 高速 | 持続 |
未勝利勝ちは阪神JFと同じ阪神1600の舞台。少し押し気味にハナを取りに行く競馬で、49.0-46.9のスローに落とし込みます。ラストは12.4-11.5-11.3-11.7と3ハロン勝負に持ち込んで、最後まで脚は衰えず。1頭差し馬の強襲は受けますが、半馬身差でしのぎ切りました。
このレースはペースこそ緩かったですが、直線の入りから馬なりでスムーズに加速し、ラストまで勢いが衰えませんでした。
りんどう賞はスタートは速かったですが、外から主張してくるがいたので無理せずに行かせて2番手に。このレースも4コーナーから直線の入り口にかけての反応が良く、あっさり先頭に。残り200までは頑張りましたが、脚が残っていた後続勢にまとめて交わされて5着に敗れました。
35.0-12.0-34.7とほぼ平均ペースで、12.0-11.6-11.6-11.5と勝負どころでもじわっと加速し続けるレース。逃げ馬が頼りなくあっという間に先頭に立つ形になってしまい、格好の目標になってしまいました。この馬自身はぱったりと止まったわけではないですが、前半が少し早かった分だけ伸びきれなかった印象です。2000mの未勝利でも2着に入っているように、1400だと前半のスピードが速く、そこで脚を使わされる分だけ苦しくなってしまったのでしょう。
アルテミスSは主張してというほどではありませんでしたが、外から先行してきたシンデレラメイクにハナは譲らずという格好。4コーナーでは後続に2馬身の差をつけて直線へ。L2地点で鋭く伸びたラッキーライラックにあっさり交わされてしまいますが、L1地点では盛り返し、ラッキーライラックとの差は残り200の地点から変わらず2着に粘りこみ。
47.5-47.4と平均ペースで、12.3-11.4-11.5-12.2とL3地点での加速力を活かして後続に一旦リードを作りました。L2地点で一気にラッキーライラックに交わされてしまいましたが、これは相手の瞬間の反応が優れていたということでしょう。L1は止まるどころかラッキーライラックに食らいつき、離されることなくゴールまで走り切りました。
新馬戦とアルテミスSに共通するのは、L3地点、長い直線の前後での瞬間の加速力。そして、そこからハッキリと失速することなく600mを走りきる持続力を活かした展開になったことです。
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阪神ジュベナイルフィリーズにむけたポイント
現状評価:▲~△
アルテミスSのレースレベルに疑問があるのは、ラッキーライラックの項でも書いた通りですが、サヤカチャンのレースぶりは面白いものがあったと思います。
早めのスパート地点での反応がよく、序盤でスローに落としてからスッと出し抜く競馬という明確な武器があるのは評価したい点です。
コーディエライトとのハナ争いが気になるところですが、どちらも序盤は落として早めスパートで出し切りたいタイプ。そして、どちらもハナにはこだわらなくても競馬ができるので、この2頭では利害が一致しています。おそらく、ゲートから二の脚の速いコーディエライトがハナを取って。サヤカチャンはその直後に控える形になるでしょう(もちろん、枠順の兼ね合いや1勝馬の動向もありますので、枠番が決まってから考えが変わる可能性はあります)。
コーディエライトとの比較だと、勝負どころでの動き出しの鋭さはサヤカチャンの方が上。ただし、単純な長い脚を使うという持続力の観点ではコーディエライトの方が上です。こちらは残り600までじっとして、L3地点から一気にスピードを上げたいです。
前走でも失速戦の中でラスト踏ん張れたように、早めに脚が放出されさえすればしぶといタイプ。ロングスパート戦での強敵だと考えていたベルーガの回避で、コーディエライトともどもこの馬にもチャンスが出てきたと考えています。