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有馬記念の出走馬分析5回目はチャレンジカップで重賞初勝利をあげた3歳馬サトノクロニクル。
春はクラシックを期待されながらもあと一歩の成績。秋はセントライト記念で権利を得て菊花賞に駒を進めましたが、不良馬場で力を出し切れませんでした。そして、仕切り直しの1戦となったチャレンジカップを勝利し、年末の大舞台に名乗りをあげました。
実績はこのメンバーでは下位ですが、若さと勢いで古馬に一矢報いることができるでしょうか!?
それでは、サトノクロニクルの近3走ラップ、好走時ラップ、有馬記念にむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/12/02 | チャレンジカップ | 阪神 | 2000 | 1 | 1 | L3 | 高速 | 失速 |
17/10/22 | 菊花賞 | 京都 | 3000 | 6 | 10 | L2 | 超低速 | 超失速 |
17/09/18 | セントライト記念 | 中山 | 2200 | 3 | 3 | L1 | 高速 | 超持続 |
(菊花賞は不良)
チャレンジカップは初の古馬挑戦となりましたが、堂々1番人気で勝ち切りました。ゲートのではイマイチでしたが、おっつけて3,4番手を確保します。道中は好位のインをキープし、残り600から仕掛け始めます。上手く逃げてばててきたプリメラアスールを交わして、残り200でマイネルミラノをかわし先頭に立ちます。外からデニムアンドルビーが追いすがってきますが、一旦交わされかけながらもゴール直前でもう一伸びし、際どい勝負を制しました。
59.9-58.7とバランスだけ見ればスローですが、11.4-11.6-11.9-11.4-11.7-12.1と6ハロンの超ロングスパート戦で、L3地点での再加速もありとかなりタフな競馬でした。2着から4着までの馬はロングスパートには付き合わずに、後方から上がり勝負にかけてきたタイプの馬たちでしたが、サトノクロニクルは前受けしていたのでもろにロングスパートの影響を受けました。それでもばてないどころか、ラスト100は追い込んできたデニムアンドルビー・ブレスジャーニー・モンドインテロの方が脚が上がってしまいました。相当な持久力の持ち主です。
菊花賞は馬場が悪すぎて対応できませんでした。ただ、下り坂からの勝負どころで置いていかれてしまいましたが、ラストはばててきた馬を拾ってきてはいました。
セントライト記念はゲートで飛び上がる形にはなりましたが、二の脚よく好位のインへ。残り800くらいで早くも手が動き始めますが、前の馬たちのペースが上がらずに一旦下げさせられます。仕切り直しでもう一度追い始めますが、前が壁になった上に外からアルアインが上がっていったので、狭いところを突かざるをえなくなります。なんとか捌ききることはできましたが、先に抜け出していたアルアインとラストで1頭だけ鋭く切れたミッキースワローに及ばず3着どまりとなりました。
この開催の中山は馬場がかなり特殊だったせいか、仕掛けどころがおかしなレースでした。前半が61.8のスローでしたが、ロングスパートにもならずに12.0-11.7-11.3-11.0とゴールまで加速し続けるレースとなりました。サトノクロニクルはいち早く手が動き始めましたが、テン乗りのミルコ・デムーロ騎手としてはかなり手応えが悪く感じたか、溜めても持ち味が出なさそうと感じたか、スローペースにじれたかのいずれかの理由でしょう。ただ、前が思ったよりペースを上げないのでちぐはぐな競馬になってしまいました。スムーズならばアルアインとはいい勝負ができたでしょう。ただし、トップスピードの高さと瞬発力はミッキースワローに劣りました。
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好走時ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/05/27 | 白百合S | 京都 | 1800 | 1 | 1 | L2 | 低速 | 持続 |
17/05/06 | 京都新聞杯 | 京都 | 2200 | 1 | 2 | L2 | 低速 | 超持続 |
白百合Sは7頭立てでしたが、先行したい馬が激しく主張しあったため後方に控える競馬に。圧倒的な人気を背負っていたこともあり、外々を回す安全策で抜け出しを図ります。自身より後ろにいたゴールドハットに一度は完全に並ばれますが、ゴール前で振り切ったうえで内を突いたクリノヤマトノオーもとらえて辛くも勝ち切りました。
59.0-47.6とイーブンペースで、12.2-11.9-11.6-11.9とL2低速持続戦。最速地点の伸び脚はゴールドハットの方が鋭かったですが、ゴールまで減速幅を抑えて走れるこの馬の良さが最後の最後に活きました。
京都新聞杯は本来の先行策でしたが、前を行くダノンディスタンスとまくっていったミッキースワローに挟まれて大きく進路を変える不利がありました。それでも切り替えてしぶとく脚を使いましたが、最後の最後に大外から差してきたプラチナムバレットに交わされました。
このレースでは4コーナーでかなり激しく手が動いていました。先に動いていったミッキースワローが馬なりでまくっていったのとは対照的で、ギアの入れ替えに難があることがうかがえます。実際上がりが12.6-11.6-11.5-11.6と4コーナーのところで1秒の急加速になっています。
しかし、コーナーでの手応えの悪さとは裏腹に直線ではよく伸びました。まくられたミッキースワローも差し切っていますし、エンジンさえかかってしまえば最後まで止まらないという面は見せました。
有馬記念予想にむけたポイント
現状評価:◎~△
ロングスパート戦になればかなり面白い1頭だと思います。
チャレンジカップは6ハロンの超ロングスパート戦。宝塚記念も6ハロンの超ロングスパート戦と、サトノクラウンの弟分のような存在です。ただし、こちらは先行できますし、チャレンジカップのL3地点の11.4くらいなら対応できるスピードも持っています。サトノクラウンは持続力超特化型ですが、サトノクロニクルの方が同じ持続力型でもトップスピードの融通が利きそうです。
ただし、瞬間の反応にはかなり難があるので、キタサンブラックがスローに落とし込んで得意の早め抜け出しを狙った場合、勝負どころの一歩目で置いていかれる可能性は高いです。
最後までバテないので離されてもジワジワと差は詰めるでしょうが、この展開だとキタサンブラックには届かないでしょう。
昨年の有馬記念のように、L5から11秒台に突入しL2での加速度があまり高くないレースになれば古馬相手でも一泡吹かせることができると思います。
ただ、かなり癖が強い馬なので、乗り替わりはハッキリマイナスですね・・・。