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有馬記念個別分析牝馬編第2回はルージュバックのレビューをします。
3歳春時点では無敗できさらぎ賞を制し超大物として注目を集めましたが、気がつけばG1未勝利のまま5歳冬まで来てしまいました。その間も牡馬混合重賞を3勝しているように、素質は誰もが認めるレベルなのですが・・・。社台系クラブ馬ですので、引退まであと3ヶ月あまり。最後のG1挑戦になることは間違いありません。なんとしてでもタイトルを1つ手にしておきたいですね。
それでは、ルージュバックの近3走ラップ、注目レースラップ、有馬記念にむけてのポイントです。
近3走ラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
17/11/12 | エリザベス女王杯 | 京都 | 2200 | 2 | 9 | L2 | 高速 | 持続 |
17/09/24 | オールカマー | 中山 | 2200 | 5 | 1 | L3 | 高速 | 失速 |
17/05/14 | ヴィクトリアマイル | 東京 | 1600 | 2 | 10 | L2 | 超高速 | 超失速 |
(ヴィクトリアマイルは稍重)
エリザベス女王杯はオールカマー勝ち後でG1制覇を期待されましたが、9着といいところをみせられませんでした。外枠からのスタートで中団後ろでじっと控えます。外々を回して勝負どころでもスムーズな競馬はできましたが、直線の入り口からの加速で少し置かれ、ラストはだいぶ挽回しましたが0.5秒差の9着がやっとでした。
ルージュバックはL3最速戦に非常に強い馬です。直線手前が一番早く、トップスピードの持続力を活かせる競馬だと強い競馬ができます。しかし、牝馬限定戦特有のスローの瞬発力勝負となると、瞬間の反応で後手をとってしまいます。エリザベス女王杯はそれがもろに出た展開で、最速地点のL2で少し置かれたように切れ味は牝馬としては控えめです。
持ち味が発揮されたのがオールカマー。好スタートから好位をスッと取りに行くいつもとは違う競馬になりました。マイネルミラノが単騎逃げから早めにスパートをかけて、3~4コーナー―では縦長の中、コーナーの中間から動き始めます。動き出し地点でマイネルディーンに不利を与えてしまうところはありましたが、そこから内を狙って直線に。直線に入ってからはよく伸びてマイネルミラノを楽々ととらえ、外から迫ってきたステファノスにも差を詰めさせずに最後まで脚を使って勝ち切りました。
前半は63.1とドスローでしたが、残り800からマイネルミラノが動き始めたためラップは11.3-11.2-11.6-12.0とL4からかなり速いロングスパート戦に。L4地点はマイネルミラノだけ動いた形で後続はこの部分ではまだスピードが上がり切ってはいませんでしたが、L3地点から後続も動き出します。ルージュバックにとってはここでスパートが始まったのがよく、直線はコーナーで勢いそのままに惰性で突っ込めました。こうなるとトップスピードの持続力の良さが最大限活きます。最後までしっかりと脚を使って、難敵ステファノスを撃破しました。やはりL3最速戦は相性がいいです。
ヴィクトリアマイルはこの馬にとっては最悪の直線の瞬発力勝負。いつも通り後方からレースを進め、コーナーでは外を回す形。ここで少し置かれて最後方から内に切れ込むような形で直線に入ります。L2地点のスピードにはなんとかついていきましたが、最後は脚がいっぱいになる形での惨敗でした。
47.9-46.0のドスローで、12.2-11.1-10.8-11.9という直線での瞬発力勝負。コーナーで少し置かれたのはL3地点での1秒強の急加速に対応しきれなかったためでしょう。また、究極のトップスピードを使った分、ラストの失速地点で脚が止まってしまいました。瞬発力勝負でははっきり劣るのはこのレースからも明白です。
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注目レースラップ
年月日 | レース名 | コース | 距離 | 人気 | 着順 | 最速 地点 |
最高 速度 |
失速 度合 |
16/11/27 | ジャパンカップ | 東京 | 2400 | 7 | 9 | L3 | 高速 | 失速 |
16/10/09 | 毎日王冠 | 東京 | 1800 | 1 | 1 | L3 | 高速 | 超持続 |
16/06/12 | エプソムカップ | 東京 | 1800 | 1 | 1 | L3 | 高速 | 持続 |
(16毎日王冠は稍重)
この馬の適性をはっきりと示しているのが東京1800での重賞連勝となった16夏~秋の2戦。
ともに東京1800でエプソムカップが60.5-45.7、毎日王冠が60.3-46.3とどちらもスローバランス。上がりラップはエプソムカップが11.8-11.0-11.4-11.5、毎日王冠が11.8-11.4-11.5-11.6とどちらもL3最速で、ともにゴールまでスピードの落ち込みが少ないレース。
少し早めのスパートからトップスピードの持続力の高さを活かすレースとなると、牡馬相手でも重賞を連勝できるように非常に強いです。
そういった意味で残念だったのが16ジャパンカップ。キタサンブラックが少し早めのスパートで勝負するのはみえていたので、この馬にとっても理想の流れになると思われましたが、結果を残せませんでした。
実際、前半が61.7でそこから3ハロン12.5前後が続くゆったりとした流れから、11.9-11.2-11.4-12.1とL3最速戦になりました。もっと好走してもいい流れだと思いますが、この結果しか残せなかったのは残念です。
有馬記念予想にむけたポイント
現状評価:消し
有馬記念はL5から速くなりL2で再加速が行われるレース。L3最速戦がドンピシャのこの馬には合っていない流れです。特にL2で再加速するのがよくなく、瞬間の反応は並のルージュバックにとってはここで置いていかれる可能性が高いです。
全く道中動かないL2最速戦よりは多少はましですが、600mのトップスピード持続力を活かす展開になることはほぼないでしょう。自分からまくるようなタイプでもないですし、好走するには相当恵まれないと厳しいと思います。